最近のフランスから始まった一連のプロカントブームの影響で、古道具をクリーニングせず、直さないで使う事が「かっこいい」という風潮が風です。
金具のとれかけた多段式のナラ材引出しとか、スイッチの壊れた卓上ランプ、引出しが軋んで開きにく箪笥を部屋に置く。
時間の持つ崩壊や劣化の作用を含めた一種の退廃的な魅力も含めて、ビジュアルとして部屋に取り入れてみる。
もちろん、使い込まれた風合いというのは古道具にとっては大変重要な魅力だと思いますが、
故障とか汚れまでそれに含めるのかは議論の分かれるところではないでしょうか。
弊社の系列企業である向日町修理工房は、そうした古道具の修復専門工房ですが、
分解し、汚れを取り除き、徹底的に修復しています。世の中の流れとは少し違った事を続けています。
てんきゅうの買取りシステムと工房の修理技術力、そして各系列店舗の販売網がリンクすることで、
多様な日本の品物が伝世し、大切にする方の元できれいに使われて残っていく・・・。私たちは常にそうありたいと考えています。
ただ、ブロカントブームに関しては、全てではないとして、そうした趣味のブログを読んでも、そういう集まりの人たちの声を聞いても、
ブロカントのものは飽きたので買い替えたり、使いにくいものは処分したりされ消費されるという側面も持っている事に驚きます。
ブロカントはブームであり、ファッション的な流行的な要素が強いため、「日本の古道具は飽きたので北欧の古道具に買い換えた・・・」という事になります。
つまり、「古道具」もまた「消費」されるものであると・・・。
私たちはそうした考え方から決別し、流行は追いません。査定金額には市場の流行を反映させますが、
しかし、流行しているからを買取りの理由にはいたしません。
そして、これからも敢えて徹底的に分解洗浄し、削り、塗装し、研磨します。
それがお譲りいただいた方への回答であり、今後も伝世し長く使い続けられることの前提だと感じているからです。
私たちは京滋の土地の結びつきを通じて、流行に流されず、地域の文物を常に守り続けるものであり続けたいと決意しております。
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